コンタクト処方

コンタクトレンズ処方とは

コンタクトレンズとは、目の表面に装着して視力を矯正するためのレンズです。眼鏡に比べ外見的に目立たないため、おしゃれを楽しみたい時やスポーツ時などに使われることが多く、マスク着用で曇るなど眼鏡をかけることが困難な場合にも利用されています。

コンタクトレンズの装用によって、眼鏡をかけることで感じるデメリットの大半は解消されますが、角膜（黒目）の部分に直接レンズが接触するようになりますので、注意して利用する必要があります。コンタクトレンズは、高度管理医療機器です。不適切な使い方をすれば、重大な眼障害を起こすことも考えられますので、コンタクトを希望される場合は、定期的な診察を受けるようにしてください。

当院では、視力低下の原因が他の眼疾患によるものなのか、患者様にコンタクトの適正の有無も含めた検査から始めます。問題がないと判断したら、コンタクトレンズ作成のための検査を行います。できるだけ目に優しいコンタクトレンズ選びをおすすめしており、当院取り扱いのコンタクトでフィッティングを確認いたします。定期検査が大切との観点から、処方箋のみの発行は行っておりません。恐れ入りますが、あらかじめご了承ください。

初めてのコンタクト装用をご希望の方は、装用練習を行いますのでお電話でのご予約をお願いいたします。

ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズ

ソフトコンタクトレンズ

ソフトコンタクトレンズは、柔らかい素材でできたコンタクトレンズです。異物感が少なく装用感が良いので、初めてコンタクトレンズを入れる方でも使用しやすいです。ハードコンタクトレンズに比べて目の表面を覆う面積が大きいですが、最近では酸素透過性のよい素材のものが増えたので、昔のように一概に「ハードコンタクトより目に良くない」ということはありません。レンズの酸素透過性は、素材や厚み、水分含有量、デザインなどによって異なります。ソフトコンタクトは異物感が少ないので、必要以上の長時間装用による眼障害に注意が必要です。

ハードコンタクトレンズ

ハードコンタクトレンズは、硬く丈夫な素材でできたコンタクトレンズです。ハードコンタクトは硬いので、視力補正に優れています。レンズ自体の形状を保持したまま目の表面にフィットするため、角膜（黒目）の形を改善し、強度乱視や強度近視を矯正することができます。しかし、初めてコンタクトレンズを使用する方にとっては、装用感が良くないため、装用が難しいことがあります。長期的なハードコンタクト使用では、眼瞼下垂になりやすい側面もあります。ハードコンタクトを入れた状態でのまばたきにより、まぶたの筋肉がこすれて、伸びてくるためと考えられます。

コンタクトレンズによる眼障害について

コンタクトレンズは視力矯正に利用される便利なアイテムですが、長時間の使用や不適切な使用によって眼障害が引き起こされる可能性があります。

• 目の乾燥：コンタクトレンズが目の表面に密着していると、涙の量が減るため、目が乾燥してしまうことがあります。症状は目の乾燥感、異物感、かゆみ、疲れ、充血、視力の低下などで現れます。
• 目の感染症：コンタクトレンズを清潔に保たない場合、細菌やウイルスが付着して感染症を引き起こすことがあります。症状は目の充血、痛み、涙目、視力の低下などで現れます。最悪の場合、角膜（黒目）が濁ってしまうことがあります。

  

  

• 角膜内皮障害：酸素透過性の良くないコンタクトレンズを長時間使用していると、酸素供給不足によって角膜内皮細胞が減少することがあります。角膜内皮細胞は一度減ってしまうと、増えることはありません。酸素透過性の高いコンタクトレンズを使用することで、角膜内皮細胞に必要な酸素の供給を確保し、角膜内皮障害を予防することができます。

  

  

• アレルギー性結膜炎：コンタクトレンズによるアレルギー性結膜炎は、レンズ自体やレンズに付着したタンパク質、レンズを洗浄するための化学薬品、またはレンズを装着する際の清潔でない手などが原因となることがあります。結膜（まぶたの裏の粘膜）にアレルギー反応が起こり、かゆみ、充血、涙目、腫れ、異物感、目やになどの症状が現れます。

これらの眼障害を予防するためには、適切なコンタクトレンズの選択や使用を行い、眼科での定期チェックを行うことが重要です。